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小布施町の伝統野菜・小布施丸なすを紹介します!

小布施丸なす 野菜・くだもの
小布施丸ナス

小布施町の伝統野菜である、小布施丸なすについて今回は書かせていただきます。
みなさんは小布施町の「丸なす」というなすをご存知でしょうか?
ボールのようにコロンとした真ん丸の可愛らしいフォルムをしたなすがあるのです。
丸なすのその肉質は緻密で締り、味が濃くて美味しいと言われています。
そんな丸なすにも信州の伝統野菜に認定されている種類の丸なすがあるんです!
その名も
「小布施丸なす」

この小布施丸なすは、なんと丸なすの原種という説もあるのです。
小布施丸なすは、長野県の北東に位置する小布施町でうまれた丸なすです。
長野県の郷土食と言えばなんといっても”おやき”。
この小布施丸なすで作るおやきは格別の美味しさと評判なのです。
味が濃くて果肉もしっかりしている、小布施丸なす。
いったい、どのようななすなのでしょうか?

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小布施町の伝統野菜 小布施丸なすの歴史


小布施丸なすの歴史は、明治時代にさかのぼります。
明治時代では「小布施丸なす」とは別に、「晩成丸茄」とも呼んでいました。
この丸なすは、もともと小布施町の山王島(さんのうじま)という一部の部落で栽培されてきました。
大正時代に最盛期を迎え、その時代は小布施町内で30軒以上の農家で栽培が行われていました。

当時、小布施町はもちろん、長野県全体、そして、全国にまで行き渡るほど盛況だったのです。
小布施町という場所は千曲川沿岸に位置するため、千曲川が洪水するたびに、洪水で運ばれてきた上流からの土砂が堆積して新たな土が積み上がり、土壌(畑)が作られるという珍しい特徴があり、同じ土で栽培されること(連作)を嫌がるなすの栽培を毎年可能にしている場所だったのです。
そんななすにとって好都合な土壌だったため、小布施丸なすの栽培が盛んに行われたのです。
しかし昭和30年頃に入ると小布施丸なすの状況が一転してしまいます。
現在の主流となっている栽培が簡単で、大量に収穫できるなすが新種として普及するようになってしまったのです。
栽培が簡単で大量に収穫できる一石二鳥の新品種に世の中の風潮は流れていってしまったのです。
小布施丸なすは、地元で親しまれ愛されていましたが、どんなに味が良くても、栽培が難しく、収穫量が少ないといったことが影響してしまい、新品種のなすに取って代わられてしまったのです。

そして、年月がたつにつれ栽培する人も減少し、それに伴い、生産量も次第に減少していってしまったのです。そうして、残念ながら小布施丸なすは埋もれた存在になってしまったのでした。
最盛期には30軒以上あった栽培農家も1995年には5軒ほどまでに減少し、種を守り、苗の育成を行う人はただ一人にまで減ってしまったのです。
しかし、平成19年に小布施丸なすが「信州の伝統野菜」に認定を受けたことで、これをきっかけに、小布施丸なすに興味や関心を持つ人も増えてきました。
小布施丸なすの種を絶やすことなく、苗の栽培にいそしみ、小布施丸なすを栽培していた人々が少ないとはいえ、存在したことが幸いし、再び小布施町で小布施丸なすを栽培する人が増加し、苗の数も増えていったのです。
令和になった現在、直売所で小布施丸なすを購入できることはもちろん、苗をネットショップで購入できるほど栽培が盛んになったのです。

小布施丸なすを次世代へ

小布施町で大切に育まれた小布施丸なすを後世に残していくことを目的とした『小布施丸なす研究会』も発足しました。
生産者さんと飲食店さんとで構成されていて、研究会員の中で、種を採取して、苗を作る担当、その苗からなすを実らせる担当、そして、実った小布施丸なすを使って料理を作る担当と、小布施町で暮らす各人が得意分野を生かし、小布施町で小布施丸なすを次世代に残す活動を活発に行っているのです。
小布施丸なす研究会の方々などを筆頭に、小布施町の方々のたゆまぬ努力により、あの昔懐かしい丸なすが再び、しっかりと現在に甦っていったのです。

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この『小布施丸なす研究所』では、小布施丸なすのワークショップも行っています。
丸なすの個性的な料理を一緒に作ったり、加工品の作成などもやっています。
丸なすの魅力を存分に感じることができるワークショップなので一度は参加してみてください♪

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小布施丸なすの特徴と美味しい食べ方紹介!

小布施丸なすのおいしい食べ方や特徴をご紹介していきます。
小布施丸なすは、丸なすといっても、形は真ん丸ではなく、巾着型に近い形をしています。
横と下が少しデップと広がっているとても可愛らしい愛嬌のある形をしています。
コロンとした可愛らしい姿ですが、手のひらにのせてみると、意外とずっしり重く中身が詰まっていることが持っただけでも分かります。
1つの重さは大体300~400gで、大きさは大きくてソフトボール程度の大きさで、ちょっと小ぶりの丸なすです。
色つやはスーパーなどで売っている一般的な品種に比べると少しあせていますが、肉質はミチっと詰まっています。そのため、荷崩れしにくく、どんな料理でも扱いやすい特徴を持っています。

小布施丸なすは、ほのかに甘い特有の風味を持っています。
なすですが、あくが少なく、実はしっかり詰まっていて綿密で荷崩れしにくくなっています。
小布施丸なすは、なんと!生でも食べられるのです。あくが少なく瑞々しいからなんですね。
生でも美味しいですが、蒸し料理・油料理など様々、多種多様な料理にぴったりの素材なのです。ただ、小布施丸なすは果肉がしっかりと詰まっているので、一般的ななすより火の通りに若干時間がかかります。
ただ、じっくり火を通した料理は、より濃厚な味わいにもなり、また、なす特有のトロリとしたまろやかさの中にも歯ごたえを残すという独特な味わいを楽しませてくれます。そして、口に広がる甘さがくせになってしまいます。

小布施丸なすの美味しい食べ方

おやき
信州の伝統食・おやき。
この小布施丸なすを使用したなす味噌炒めのおやきはまさに「本物の味」
信州みそをベースに、ぼたんこしょうと一緒に炒めてピリ辛仕立ての味にするのが個人的にお勧めです。

蒸しなす
ただ蒸しただけではありますが、小布施丸なすの美味しさを一番味わえて感じられる料理だと思います。
生姜醤油で食べてみてください!トロリとした食感がやみつきになること間違いなしです。
ちなみに、この蒸しなすは農家さんもおすすめの食べ方なんですよ。

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天ぷらや素揚げなんかも一般的なナスより風味が豊かで美味しいです。
煮物が一番柔らかく出来上がり、小布施丸なすの甘さやトロリとした食感を一番味わえますが、決して煮崩れすることがないのです。
和食だけではなく、カレーやフライなど洋食にもぴったりですよ。
簡単で美味しい食べ方の一つ!チーズ焼き。
チーズを乗せられるように切ってチーズを置いてトースターで焼くだけ。
これだけでメインのおかずになる美味しさです!

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【ご注意】
小布施丸なすのへたには鋭いとげがあります。
注意して料理してください。
小布施丸なすももちろんですが、なすは低温に弱いため、冷蔵庫などの7度以下のところに長時間おいておくと皮の艶がなくなり、皮が褐色に変色します。病気ではないので、食べたからといって体に害があるものではないのでご安心ください。
たまに、なすの表面に白い粉がついている場合がありますが、これは高温多湿のときに発生するうどんこ病です。
この白い粉はしっかり水で洗い流していただければ、食べても体に害はありませんのでご安心ください。

小布施丸なすの産地小布施町について

長野県の北信地域に位置する小布施町は長野県内で最も面積の小さい自治体でなんです。
そんな小布施町は「北斎(葛飾北斎)と栗の町」として全国的に有名な街です。
また最近では花がとても美しく「オープンガーデンの町」としても日本全国から大勢の方々が訪れる小布施町です。

葛飾北斎は、83歳のころに初めて小布施町を訪れました。
85歳に「龍図」や「鳳凰図」を小布施町で手がけました。
現在も、小布施町の各地に葛飾北斎の作品が現存しています。

小布施町と言えば栗・栗・栗
小布施町を歩くと必ず目にする「栗」
どこを歩いても「栗」「栗」「栗」
小布施町は、豊かな土壌と気候により、とても良質な栗が生産されています。

その栗は「小布施栗」と呼ばれブランドとしてとても重宝されています。
小布施栗は江戸時代は将軍へ献上されるほどの美味しさだったのです。
その美味しさは令和の今にも受け継がれ、さまざまお店で味わうことができます。
栗ごはん、モンブラン、栗羊羹、栗ソフトクリームと一日では食べきれないほど魅力的な料理が満載の街なのです。

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カノナのおすすめはモンブラン。
栗でつくるモンブランは茶色なのです(黄色いモンブランはサツマイモで作られています)
その栗でつくられたモンブランのクリームを惜しげもなくお皿いっぱいに絞り出してくれるのです。
これでもか!!ってほど栗を味わえる一品です。
栗の時期のみの販売で大人気のモンブランです。
朝日が上がる前から並んででも食べたいという人ばかりで、大人気・激戦の商品ですので食べられたら大ラッキーですよ。
カノナも平日の朝早くから並んでようやく食べることができました。
苦労した分、美味しさもひとしおでした。

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丸なす以外にも色々あるナスの種類

ちょっとここで、なすのお勉強を。
スーパーでみないことはない、私たちにとっても身近な野菜の一つ「なす」
意外と知らない「なす」の知識をお勉強しましょう^^
今、食卓に並ぶ日本のなすはほとんどが黒むらさき色ですが、実は、なすにはほかにも世界では、白、緑、しま模様(もよう)のなすもあるのです。
形も丸型(まるがた)や長型(なががた)など、さまざまあります。(小布施丸なすは丸型にあたります)

中長なす
長さ12~15cm
昭和39年に生まれた「千両」「千両二号」という品種のなすは、簡単に栽培できて、収穫がたくさんできるという作りやすさで、現代の日本でも、全国に広がっています。

長なす
長さ20~25cm
西日本・東北地域で栽培されています。
秋田県「河辺長なす」、岩手県「南部長なす」、大阪府「大阪長なす」、宮崎県「佐土原なす」などが長なすにあたります。

大長なす
長さ40~45cm
長なすの約倍の長さになり、肉質が柔らかいので「焼きなす」や「蒸しなす」に向いています。
「久留米長なす」や「博多長なす」などがあります。
暑さや乾燥に強い種類のため主に九州などで栽培されています。

丸なす
東北地方から北陸地方、そして関西地方で栽培されています。
小布施丸なすもこの種類になります。
実がしっかりしてつまっているので、煮物や田楽などが美味しいですが、何の料理にも向いている万能な種類です。有名な品種では京都府「賀茂なす」があります。

ほかには、「卵形なす」「小丸なす」「米なす」とがあり、意外と種類豊富な野菜・それが「なす」なのです☆彡

小布施町の伝統野菜・小布施丸なすのまとめ

一度小布施丸なすを栽培している農家さんにお手伝いに行ったことがあります。
普通のなすと変わらないよ~と言われていて、「なすの栽培ならやっているから問題ないかな~」と軽い気持ちで行ってしまいました。
そうしたら、大違い!!
まず、なすの重さが全く違ったのです。
一個一個が重たいため、しっかり支柱を立てないとなすの重さに負けて支柱ごと倒れてしまうのです。
この支柱立てがとっっっっっっても大変でした^^;
あと、なすは表面に傷がつくと傷口が茶色く変色してしまい売り物にならなくなってしまうため、傷がつかないように保護する作業も行いました。
こうして手間暇かけて手塩に育てた小布施丸なすの美味しさはひとしおでした^^
小布施丸なすは今現在比較的手に入りやすい伝統野菜です。
実は小布施の道の駅や直売所に並んでいますし、苗はインターネットで購入も可能です。
観光になっている安曇野わさびや信州の郷土色として今も盛んに栽培されている野沢菜のように日本全国に広まっていく日も遠くない小布施丸なすでした。

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