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昔ながらのきゅうり「八町きゅうり」は須坂市の伝統野菜です!

野菜・くだもの

カノナの信州野菜ブログ、今回ご紹介の信州野菜は「八町きゅうり」です。
八町きゅうりは、長野市からほど近い『須坂市』が名産です。
古き良き時代と現代が混在する魅惑の街です。
また、桜の名所としても名高い臥竜公園や、カンガルーのハッチやゆず湯に入るカピバラで有名な須坂市動物公園があるファミリー層やカップルにも人気の名所です。
その須坂市で育まれた『八町きゅうり』を今回紹介します。
信州の伝統野菜として認定を受けているきゅうりは下記になります。

佐久古太きゅうり(佐久市)
鈴ヶ沢うり(阿南町)
清内路きゅうり(阿智村)
羽俸キウリ(塩尻市)
番所きゅうり(松本市)

八町きゅうり(須坂市)今回紹介する『八町(はっちょう)きゅうり』もこの認定を受けたきゅうりなのです。

須坂市動物公園 カンガルー
須坂市動物公園 カンガルー(イメージ)
須坂市動物公園 カピバラ
須坂市動物公園 カピバラ(イメージ)

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八町きゅうりの特徴を紹介!

八町きゅうりは、須坂市高甫(たかほ)地区を中心に栽培されているこのきゅうりです。
木曾地方に伝わる伝統野菜の開田きゅうりに似ている品種になります。
長さは20cmぐらいで、ずんぐりむっくりとした寸胴した形が特徴で、何とも言えない可愛らしいフォルムです。
白イボがあり、ブルーム(白い粉)がかかっています。※ブルームについてはこちらを参照してください。
皮が薄いですが、とても肉厚で歯切れがとても良く、味も絶品です。
種子数が少ない事も特徴でとても食べやすいきゅうりです。
きゅうり特有の青臭さが少なく、ほのかにメロンの様な香りが立ち、甘みも感じる事が出来ます。
食べてみると今までのきゅうりの概念が変わる、一度食べたら忘れられないと言われているきゅうりです。
姿からすると、太いため、固そうに見えるのですが、生で食べることが最もおいしいと言われていて、サラダに入れてみるとパリっとした歯切れの良さと、みずみずしさが堪能できます。
八町きゅうりの美味しさの一つでもある皮が薄いことが原因で傷つきやすく日持ちがしなくなっています

八町きゅうりの歴史を紹介します

八町きゅうりの歴史には2説あります。
1説は長野市内のきゅうり農家から種子を譲り受けて栽培し、後に地域に適応した品種となった
という説と、
昭和20年代に須坂市の八町地区に住んでいた関野正二郎さんという方が、須坂市高甫在来種と豊洲在来種を交配して栽培したという説があります。
どちらの説が有力かという事はまだ分かっていないです。
昭和30年代になると味の良さが評判を呼び、市場で一躍有名になり、県内はもとより、新潟県など遠方からも買い付けに訪れる人が絶えませんでした。
最盛期には、栽培農家が150件ほどおり、出荷本数は5万本以上を数えました。
ですが、昭和40年代に入ると、傷みやすく日持ちがしない八町きゅうりは市場での評価が下がっていまい売上が悪くなってしまったこと、
そして、りんごや桃などの果樹栽培が須坂市で盛んになり、果樹栽培にとってかわられてしまったのです。
今まで八町きゅうりだった畑は果樹園になり、八町きゅうりの栽培は激減してしまい、栽培農家も減少してしまいました。
その後は、自家用にと家庭菜園などで細々と作られていきました。
ですが、最近、八町きゅうりの美味しさを見直す動きが高まり、
伝統野菜を守っていこうと2005年に「八町きゅうり研究会」が発足されました。
研究会を中心に生産量が少しずつ増加し、また信州の伝統野菜に認定されたことにより注目度が上がりました。
まだまだ生産量は少ない現状ですが、地元直売所や道の駅では、7~9月の収穫時には販売されるようになりました。

八町きゅうりは、自家採取が繰り返されてきたことから、最盛期当時と比べ、形や実のなり方などにバラつきが出てきてしまっています。
現在、研究会では当時の味の再現をする為、種子や苗の選抜をしているそうです。
そのため、八町きゅうりは、一般の方へ種子販売はせず、苗のみの販売になるそうです。

[ふきだし set=”カノナ”]

八町きゅうりの生産量は増えてはいるのですが、一般のきゅうりより収穫量がとても少なく大規模に収穫するという事が難しいのです。
また、須坂市の名産でもある果樹と収穫時期が重なることもあり、八町きゅうりにまで手が回らないという現実があります。
そのため日本全国に出荷するという事はまだまだ難しい現状の様です。

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八町きゅうりのおすすめの食べ方

八町きゅうりのおいしい食べ方、それは漬物にして食べるのが美味しいですよ!!
八町きゅうりは浅漬け、本漬けはもちろん、信州名物味噌漬けにしても絶品です!
佃煮にしてくたくたにして食してもまた絶品ですが、
更に美味しい食べ方あります!!!
生産者の方や地元の方、そして、子どもたちまでも口をそろえて
「生でまるかじり~!」「そのままが一番」と。
信州味噌をつけてがぶりが一番だとか。
生で丸かじりをするとより八町きゅうりの甘さと歯触りが楽しめるのです。
川が薄くて柔らかくて、でも実はしゃきしゃき歯切れ良くて瑞々しくて青臭さがなく甘い!!
なので、「生が一番」となるのですが、八町きゅうりは日持ちが悪いことも事実。
遠方の方で生で楽しむことは少し難しいかもしれません。

きゅうりの豆知識を紹介します!

きゅうりが生まれた地域がどこなのか?みなさんはご存じですか?
なんときゅうりの原産地はヒマラヤと言われています。
きゅうりが日本に伝わったのは中国からです。
江戸時代ごろまでは黄瓜(きうり)と呼ばれていたそうですが、
その後中国名の胡瓜という漢字をそのまま当て字にされたようです。
また、苦味が強く、“下品な瓜”とか、“害多く、能無し”などと言われたりしていたようです。
1960年代頃までは半白きゅうりが主流で、その後、栽培しやすく流通性に優れていると共に見た目がよく、彩りが良い現在の白イボの全体が濃い緑のきゅうりに切り替えが進みました。

きゅうりのブルームとは


ブルームは、きゅうりが乾燥や雨などから身を守るために全体を覆う白い粉のことを言います。
自然に着いたものですので人間の体には全く害がありませんが、一見すると農薬のように見えてしまうという見た目の悪さからブルームが出ない品種が開発され、現在は「ブルームレス」という表面が瑞々しく艶やかな緑色のきゅうりが主流になりました。
しかし、身を守るものがなくなってしまったきゅうりは皮を厚くするなどして身を守るようになり、皮が固く歯触りが悪いきゅうりとなってしまったのです。
現在は、ブルーム付きのきゅうりが見直され、本来の歯触り・柔らかや・美味しさを持ったきゅうりが出回り始めています。

きゅうりの種類


実はきゅうりもいろいろな種類があるのです。
ここでは代表的なきゅうりの種類をご紹介します。

白イボきゅうり
現在、スーパーなど店頭で見かけるきゅうりはほとんどがこちらの白イボ系きゅうりになります。
その名のとおりイボが白っぽい品種で、皮が瑞々しく艶やかで生で食べてもおいしいきゅうりです。

黒イボきゅうり
イボが黒っぽい品種です。
春から初夏にかけて収穫する早生品種です。
漬物に適してしますが、生食には向かず、病気に強く収穫量が多い白イボ系きゅうりが好まれ、最近はほとんど市場で見ることはなくなりました。

加賀太きゅうり
主に石川県で栽培されていて、石川県の特産となっています。
また、加賀野菜(加賀野菜は石川県の伝統野菜のことを言います)にも認定されているきゅうりです。
長さが30cmぐらいにもなり、直径が10cm近くまで大きくなるため、一見すると瓜の様にも見えるほどの大きいきゅうりです。
こちらのきゅうりは白イボ系きゅうりで、とても柔らかく、日持ちがいい品種です。
炒め物や煮物にしても煮崩れなく美味しく食べることができます。

大和三尺
奈良県北部から中部に古くからある品種で、30cm以上になる品種。
長いため曲がりやすくなっていて、そのため市場に出回りづらくなってしまい、現在はほとんど見かけなくなってしまいました。
歯ざわりや味は良く、奈良漬にも好まれて使用されていました。
奈良県の伝統野菜「大和野菜」にも認定されています。

四葉(すうよう)きゅうり
白いぼ系きゅうりになります。
普通のきゅうりより大きい品種で、25~30cm位が美味しいといわれています。
イボやしわが多く、皮が薄く味が濃厚で美味しいきゅうりですが、このイボが多く皮が薄いという特徴で傷がつきやすくなりいたみやすくなってしまい、流通が困難となり、今では手軽に変える品種ではなくなってしまいました。
歯切れがよく皮が薄いため、絶品の漬物になるそうです。
名前の由来は、本葉が四枚ついた頃から実ができ始めるため葉が四枚ということで四葉とついたものようです。

四川きゅうり
四葉きゅうりを改良した品種になります。
四葉きゅうりと同じく、イボとしわが多いきゅうりで白いぼ系きゅうりになります。
普通のきゅうりと同じぐらいの大きさで、皮が薄く美味しいのですが日持ちがしないためあまり流通していない品種になります。

イボ無しミニきゅうり ラリーノ
新品種のきゅうりです。
イボがなくツルッとして艶やかな可愛らしい姿をしています。
そのまま一本漬けとして調理できます。青臭さが少なく加熱調理にも向いている品種です。

きゅうりは実にありふれた野菜の一つですが、実はギネスブックにNo1の野菜として記録「世界一栄養がない果実」との事です。

八町きゅうりを育む須坂市について

須坂市はなんといっても「花の街」だと思っているカノナです。
須坂氏は、さくらの名所100選にも選ばれた「臥龍公園」を筆頭に、大廣院のシダレザクラ、東照寺のシダレザクラ、弁天さんのしだれ桜、金毘羅山のシダレザクラ、亀倉神社の桜、延命地蔵堂の桜、広正寺のエドヒガン、萬龍寺のシダレザクラ、長玅寺の桜、高顕寺のソメイヨシノ、大日向観音堂のしだれ桜と、桜の名所が多数あります。
臥龍公園は四季折々の自然が楽しめ、春の花、夏の風、秋の紅葉、冬の雪景色と、一年を通じて楽しめます。
また、果樹の街でもある須坂市。
様々な果樹の新品種が須坂市から誕生しています。ナガノパープルも須坂市で誕生しました。
ナガノパープルについてはこちら

そして、信州須坂オープンガーデンとして個人のお宅のご協力を頂いて各家庭のガーデンを公開して「オープンガーデンウォーク」として、様々な素敵なオープンガーデンを見学できるようになっています。
詳細こんなお庭を作ってみたいな~と夢が膨らむこと間違いなしですよ。

須坂市の伝統野菜八町きゅうりについてのまとめ

長野県の名産でもあるりんごや桃。
その主力生産地でもある須坂市。
でも、その果樹の発達の歴史には伝統野菜の犠牲があったことにとてもビックリしました。
須坂市の果樹の発達は素晴らしく、今後も育みより発達しなければならないとは思いますが、
同じように須坂市が生み出した八町きゅうりの栽培もおこなう事は出来ないのかと思いました。
須坂市を育んでいる果樹。
果樹は須坂市になくてはならない産業となっておりますが、同じように八町きゅうりも須坂市の名産に将来なりうる野菜と信じています。

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